第26話

「ごめんなさい!」

 突然、自分に対して頭を下げてくる澤井。

「ささ澤井先輩!」

 突然、自分に対して頭を下げてきた澤井に戸惑う黒木。

「……わたし達の仕事は、うちの雑誌に、漫画を連載しているプロのマンガ家さんや小説やコラムを連載している作家さんとの打ち合わせやそれに伴う仕事がメインでしょ?」

「あぁはい」

 黒木は、澤井の元について、彼女がいま担当している漫画家さんを一緒に担当する。

「けど、黒木ちゃんの友達が今日から、インターンをする黒蝶やその子が本来インターンを希望していた晴海なんかは、事前に、取材対象者である企業や個人にアポイントを取ってから、取材を行い、掲載の許可が出てものだけ記事として掲載する」 

 そうしないと、クライアント先からクレームが来て、雑誌自体を販売できなくなる。

「うちの会社にはねぇ? 目の前の目標の為に、ちょっとだけ犯罪まがいの事に走る人が1人いて、その人の事をうちの会社では、抑止力も込めて、死に神って呼んでって。あぁ! 勿論、本人の前じゃあ、絶対呼んじゃあだダメだよ! あくまで、裏で呼んでるあだ名だから」

「解りました。あの?」

「ん?」

「澤井先輩は? その? 死神さんって呼ばれているいる人については、どう思ってるんですか?」

「私は……」

 黒木の問いかけに、澤井は、言葉に詰まる。

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