第60話

『…あぁ、今日も疲れた。早く家に帰って…キャー』

『黙れ! おとなしくしろ! 死にたいのか!』

『おとなしくするのは、貴方の方です。その手を離してください』

『何者だてめぇ! 死にていのか!」

『警察に通報しました。貴方は、その女性を暴漢を働いた罪で逮捕されますよ。それでもいいですか?』

「ふざけたことしやがて! 殺すぞ!』

『僕は、忠告しているんです。今、ここで彼女を解放したらもしかしたら、彼女も被害届を出さないかもしれない。それに自分も警察が到着してもただの痴話げんかと嘘をつく事だってできます。さぁ? どうしますか?』

『…くそ!』

『大丈夫でしたか?』

『…あの? ありがとうございました』

『いぇ。今みたいの人の扱いは先輩で慣れてますから。それよりお怪我はありませんか? さっきの人に思いっきり刃物を突きつけられてましたよね?』

『大丈夫です。怪我すらしてません』

『よかった。実は、警察に通報したって言ったのは貴方を無事に解放して貰う為の嘘なんです。だから、いまからでも警察に行って被害届を出した方がいいと思います』

『…私なら大丈夫です!』

★★

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