第41話
「……草津千里様は、ご在宅でしょうか?」
「!?」
ここは、かなり前に廃墟なった小屋。
こんな場所に、やってくる人物なんていない。
それなのに、訪ねてきた人物は自分の名前をはっきり言った。
草津は、恐怖で錠剤を床に大量に落とすばかりか、外にまで聞こえる大きな音をだしてしまう。
「…大丈夫ですか? なにかすごい音が聴こえましたけど」
「……」
外からの心配の声を無視して、外の人物にばれない様に窓越しに行き、カーテン越しに相手の姿を確認する。
「!?」
ドアの前に立って居たのは、漆黒の喪服を着た一人の男性。
※その他の特徴。黒縁眼鏡を掛け、肩まで伸びた漆黒の髪をうしろで一つに束ねている。左手にどういう訳かクロユリの花束。
その姿は、まるで自分を殺した黒き死神。
草津は、恐怖の余り窓から離れる。
しかし、次の瞬間…扉が開き、男が小屋の中に入ってきた。
「…失礼します」
「…泉石」
「…君には、不要だったかな? 草津」
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