嘘にこそ真実が隠されている

第40話

心の灯った消す事ができない空白。

 あの日、掴めなかった君の手。

 あの日、言えなかった君への思い。

 もしも、あの日に戻れたら、僕は……きっと君を離さない。

 だって、あの日は二人とも同じ歩幅で、同じ距離を一緒に歩いてた。

 毎日明日がくるのが楽しくて、君が隣にいるだけで毎日が幸せだった。

 互いに互いが隣にいない未来なんて考えられなかった。

 それぐらい、好きだった。互いの事が。 

 だからこそあの日、君の異変に気付けたならば……

 僕が、君の気持に寄り添ってあげれば……

 僕の心に空白なんてできなかった

 それどころか、僕が君の旦那になっていたはずなのに

 6年間。僕の心に膨らんだ誰にも消す事ができない黒き空白。

 6年経って、やっと解放できる。

★ ★

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