第9話

高校時代の鳴海坂昴の記憶が正しければ、泉石渚は、高校卒業後、地元の一般企業に就職し、サラリーマンになった…はずだった。

 それなのに、大学を卒業し4年ぶりに再会した親友は、どういう訳か探偵になっていた。

 そして、俺自身もこいつの仕事に、いつの間にか裏の相棒として巻き込まれていった。

 渚は、俺が持つ特殊能力(透明化)の事を、中学に入学する前から何故か知っていた。

 俺は、特殊能力の事を、家族、友人、それどころか、自分以外の人の前で話した事も、他人の前で能力を使った事がない。

 そんな訳で、俺は、強制的に渚の相棒にさせられてしまった。

 まぁ、今、考えると美緒さんが帰ってくるまでの代わりだったのかもしれない。

 だけど、いまの僕は、自分の意思で渚の傍に居る。

★ ★ ★

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る