第8話

3日後

「この度は、わたくしの事で世間をお騒がせしてすみませんでした」

『へぇ! もう訂正したんだ。あの男』

『……渚の動画が効いたみたいだよ。彼、あの動画が送られてきたあと、

美緒さんの事務所に、お金を回収しに行ったみたいだよ。彼、この動画を留学中で現在一時帰国してる許嫁の蓬莱涼香さんの目に入るのを恐れたみたいだよ。あと、彼、美緒さん以外にも複数の女性に結婚を申し込んでたるみたいだよ。許嫁が居るのに最低なペテン師野郎だね? 彼』

『本当だな! まぁ、これで奴のデザイナー生命は、終わりだろうな。昴、証拠は、残してないだろうな?』

『……渚。君は、僕は誰だと思ってるの?』

『……誰って、泉石渚の召使?』

『渚。それ本気で言ってる?』

『冗談だよ。冗談。隠し屋だろ?』

『もう、君って解って言ってるでしょ? あんまりからかうともう手伝ってあげないからね?』

『ごめんごめん。でも、相変わらず君の能力ってすごいよね? 自分の痕跡を跡形もなく消しちゃうんだから。それ本来の仕事に生かしたりしないの?』

『あのね、これ、以外に体力使うんだよ。それに普段は花屋の店員なんだからね? こう見えても』

 カフェの中央にあるテレビ画面に映る文彦和也の謝罪報道を見ながら、窓側でナポリタンを食べている泉石渚に耳につけたインカム越しに怒鳴りつける。

 ※渚と昴は、別々にカフェに来店し、渚は窓側の席、昴は全体が見渡せる中央の席に案内して貰った。

『でも、最初に花屋で働くお前の姿を見た時は驚いたよ。お前が満面の笑みで女性に花売ってるもん』

『それも言うなら俺の方こそ驚いたんだぞ! サラリーマンになったはずの親友が、いつの間にか探偵になってるんだから』

 ☆ ☆ ☆

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