第43話

『滝川さん。大丈夫かな?』

『お前? それ、本当で言ってる?』

『なんだよ!』

『あのさ? お前に、心配されなくても、滝川さんにはもういるから好きな人?』

『はぁ? なに言ってるんだよ! そんな人いる訳ないだろう?』

 渚の言葉に大きなため息をつく。

『はぁ……じゃあ、訊くけど。なんで、お前は、滝川さんには、好きな人がいないって断言できんの?』

『そそそれは……』

 彼女が、ずっと自分に片想いをしてから。

『……昴? お前が、これから幸せにしないといけないのは、滝川さんじゃなくて灯さんだろう?」

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