１月６日　１３時５０分　社員食堂

「あぁぁ！　もうなんで、いま悠の顔が浮かんでくるの！」　

　昨晩の悠との出来事と昴さんからの手紙の内容がリンクしていた。

　まるで、その光景を近くで見ていたかのように。

「それに……昴くん！　なんで今更こんな手紙。っていま何時？」

　そして、中断していたランチを再開する為に今の時間を確認した。

「…１３時５０分！」

　わたしはその真実に立ち上がり大きな声で叫ぶ。

　でも、運悪く、近くの席でご飯を食べていた数人の男女が、私の方を振り向いた。

「…あぁすみません。なんでもありません」

　私は、彼らに向かって頭を下げて、恥ずかしそうに席に着く。

　遅めの休憩だったので、堂城先輩が気を使ってくれて、１時間の長い休憩をくれた。

　だけど、その長い休憩を堂城先輩自身に潰されてしまった。

　今は、そんな事を言ってる場合じゃあない。

　急いで、残りのごはんを食べ終わらなければならない。

「いただきま…」

『ここで速報が入ってきました。現職の市議会議員今村敦が覚せい剤所持法違反の容疑で緊急逮捕されました』

「…」

　☆

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