第7話

「昴さんが好きです」

食事もある程度進み、残る料理が、次に運ばれてくるデザートだけの状況になって、私は、昴さんに叶わない…振られるだけの告白をするをことにした。

 滝川が予約したのは、二人分のコース料理。

 それも、クリスマス期間限定のコース。

 追加で注文した赤いワインを飲もうとしていた昴が、突然の私の大声にグラスをテーブルに置く。

「えっと……」

 滝川の告白、困惑しながらも、どう返事を返せばいいのか悩んでいる昴に…

「ごめんなさい。やっぱりいまの忘れて下さい」

「…」

 一瞬黙り込むが…すぐさま私の方を向き真剣な顔で私の顔を見る。

「ごめんなさい。僕は、貴女の気持ちに答えるはできません」

 申し訳なさそうに頭を下に背ける

 そんな昴さんに私は、無理やりにをあげて彼の両肩を叩く。

「…もう昴さん。そんな顔しないで下さいよ! そもそも告白は、私の一方的な我儘なんですから」

「それでも…」

 すると、タイミングを見計らったかのように、チョコレートケーキが運ばれてきた。

「デザートをお持ち致しました」

「美味しいそう! あぁ! ありがとうございます!」

 ウエイトレスさんは、私の美味しそうという返事に、ありがとうございますと返事を返しながら私達の前にチョコレートケーキとカップに入ったコーヒーを置いて行く。

「コーヒーは、こちらからのサービスになっております。では、わたくしはこれで失礼します」

「ありがとうございます」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る