第6話

「滝川さん乾杯しませんか?」

 二人っきりになり、ワイングラスを手に持った乾杯しようと持ち掛けてきた。

「っすすすすっす昴さん! 明日、樋宮さんと結婚式なんですよね! お酒飲んだりして大丈夫なんですか? 」

「ん? あぁ平気、平気。俺? こう見えて、お酒強い方だから」

 明日の結婚式の事を心配する私を、お酒は強い方だと一刀両断する昴。

 そんな昴に、彼に滝川は思わず…

(…もしかして、昴さんは私と…うんんそんな訳ない!)

 滝川は、自分の右足を左足で踏みつける。

「んん? 滝川さん。なにか言いました?」

「うんん。じゃあ、お言葉に甘えて一回だけ」

 自分のワイングラスを持って昴のグラスに一回だけ自分のグラスを当てる。

「乾杯!」

「乾杯」

 昴もそれに返すように滝川のグラスに自分のグラスを一回当てる。

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