第2話

「堂城副社長って、確かオネェじゃあなかったけ?」

「だよねぇ? あぁ! でも、今のどう見ても滝川さんのことナンパしてたよね?」

「えっ! 堂城副編集長が? ありえないよ! だって、あの人? 犬塚編集長って付き合ってるって噂だよ?」

「えっ? じゃあ? 二股?」

「……えっ?」

 俺と梨々花がつき合ってる?

 彼女らの会話に、堂城は思わず叫んでしまった。

「堂城先輩?」

「いやぁ? なんでもない? それより、彼女らの誤解を解かないとなぁ?」

「大丈夫じゃあないですか? 自分、堂城先輩の事上司としては尊敬してますけど、異性としては全く尊敬すらしてませんから!」

「おい!」

 滝川からの衝撃過ぎる告白に、堂城は言葉を失い掛ける。

「だってそうじゃないですか? 私、危うくパスタが喉に詰まって死ぬところだったんですけど?」

 わたしからの息もつかない弾丸攻撃と堂城先輩の土下座で、先輩の事をからかっていた野次馬軍団が一斉に堂から居なくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る