「…これも、俺への嫌がらせのつもりかよ」

　渚が、美緒へ渡して欲して頼んだ紙袋の中身。

　あいつ、本気で美緒を…

　じゃあ、なかったらこんな意味深な花…なんて使う筈がない。

　それじゃあ、美緒も、あいつからのメッセージを知ってわざとここに…

「美緒に限ってそんな事はない」

　俺は、昨日、美緒からの「私達って夫婦だよね？」に、すぐに返事を返す事ができなかった。

　でも、美緒は、そんな俺に「ごめんって」逆に、謝ってきた。

　そして、そのままあいつからの小包を持って、部屋から出て行ってしまった。

　けれど、昨日の夜は何事もなかったように、いつも通り自分の隣で寝息を立てて眠っていた。

※渚が、美緒に贈ったドライフラワーに使われている４種類の花の花言葉。

　●ホトトギス：私は、永遠にあなたのもの、意志

　●なでしこ（ピンク）：純愛

　●ノカンゾウ：宣告、愛を忘れる

　●オシロイバナ：恋を疑う

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