第22話

「…おはよう」

 朝、起きると寝室に美緒の姿はなかった。

 美緒からの告白、それ以上に渚の手紙のせいで昨日の夜は、中々寝付けなかった。

「ごめん、永輝さん。私、もう行くね。あぁ朝食は、テーブルに置いてあるから食べて」

 永輝が、目をこすりながらリビングに入ってきた渚に声を掛ける。     

「あれ? 今日、早いね?」

「うん。上司に急に呼び出されたの。じゃあ、永輝さん。いってくるね」

「うん。いってらっしゃい」

 そう、告げると美緒は、大きな荷物を持って、家を出て行った。

※美緒は、小さなデザイン会社でカメラマンとして働いている。

 本当は、デザインをやりたくて、会社の面接を受けたが、デザインでは採用されず、でも、趣味で撮影していた写真が、社長の目に留まり、カメラマンとして採用された。

 それ以降、美緒が担当する写真は、徐々にファンを増やし、自分の企画を持つまでになった。

 それでも、デザインの仕事を諦めた訳ではない。

 ☆ ☆ ☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る