嘘と花言葉

第20話

拝啓 岡宮永輝様

 この度は、若草樹里様とのご婚約おめでとうございます。

 二人の結婚式にぜひとも参加したいと思っております。

 ですので、結婚式の日程が決まりましたら、ぜひともご連絡をよろしくお願いします。

 それと、余計なお世話かと思いましたが、気持ちを同封させていただきました。

 最後になりますが、岡宮永輝さま、そして、妻となられる若草樹里様の幸せな未来を心からお祈りしております。

 

 

                                                                     泉石 渚             

 ※写真の方

 樹里を襲う様に、永輝がキスしている写真。

 そして、写真の裏に、『美緒さん、自分が貰いますね? だって、二人も奥さん要りませんよね? 彼女とは、偽装結婚なんですよね?』

(……なんで、この事は、俺と彼女しか知らないはず)

 永輝は、渚から届いた手紙と写真を粉粉になるまで破り、美緒との結婚を機に辞めた煙草を机の引き出しから取り出し、箱から1本取り出し、ライターで火を点けた。

※永輝が煙草を吸っていた期間は、22歳から23歳までのたった一年。

 美緒との交際期間は18歳~23歳まで5年間。

 そして、煙草を辞めたきっかけは、美緒に、「私、煙草を吸う人だけとは、結婚できない」とプロポーズをしようと決めた1週間前に急に言われたから。

 だから、それきり自分は煙草を口にしないと決めた。

☆☆☆

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