第11話
『……美緒さん。僕は、君が急に居なくなったあともずっと君を待ち続けた。君が好きだったから。』
「……渚くん」
リビングから逃げるようにキッチンに駆け込んできた美緒は、渚の唇が振れた自分の唇を指で撫でながら彼の名前を小さな声で呼んだ。
リビングで永輝から泉石渚の名前こそ出なかったこそ、私は、動揺して、永輝さんの元から逃げ出してしまった。
そして、いまも永輝さんのよりここに居ない渚君の事を考えてる
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