第10話

「あぁ! そう言えば家に帰る途中、美緒の学生時代の友人に会ったよ?」

 二人で出来上がったグラタンを食べていたら、永輝がいきなり何かを思い出したのか、急に、話を始めた。

 けれど、その内容に美緒は、スプーンをテーブルに落としてしまった。

「美緒!? 大丈夫?」

「大丈夫。ごめんちょっと、スプーン洗ってくるね」

 私は、逃げるようにキッチンに駆け込んだ。

 ☆ ☆ ☆

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