第68話

「…」

 滝川の頭の中に…一人の女性の名前が浮かんだ。

 だけど、その考えを滝川は強引に頭の中から一打ち消した。

 だって、いまそれを認めてしまったら、私は、貴方の事を軽蔑してしまう。

 私は、貴方の唄に何度も救われたから。

 でも、この声は…間違えなく…穎川泉。彼女で間違えない。

 ☆

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