第64話
「それでは、会見を再開いたします。質問をある方は、挙手をお願いします」
しかし、そんな渚の声を無視して、我先にと記者が、カメラを持ち、樹利亜に質問を投げかけてくる。
「南浜さん!? やっぱり、離婚の原因は、穎川泉との不倫なんですか?」
「南浜さん!? 元旦那様の不倫は、知ってたんですか」
「南浜さん!? なんで今日、ここに来ようと思ったんですか?」
「皆さん! 質問は一人ずつお願いします」
渚は、必死に、記者を宥めようとするが、記者は、そんな渚を無視して質問を続ける。
そんな記者の行動に、樹利亜がふと立ち上がり……隣の七橋からマイクを奪い取ると…・・
「記者の皆さん。そもそも私にはさっき程この人が言っていたように私には、結婚を前提に交際していた婚約者が居ました。けれど、二人とも当時はまだ、大学生だったので結婚するのは大学を卒業してからにしようと二人で約束しました。でも、その約束も彼との幸せな未来も隣に居る七瀬龍治さんによって突然奪われてしまいました。彼は、自分に利益の為だけに、勝手に婚約届を出し、自分の妻にしたんです」
記者に向かって頭を下げる。
そして、改めて質問はないか記者に尋ねる。
しかし、記者は樹利亜の七瀬龍治に対する殺意を帯びた言葉と雰囲気にのみ込まれてしまって質問どころじゃあなくなってしまった。
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