第63話
10分後。会見場。
「…お待たせしました」
帽子を深々く被った堂城は、ステージ上の七瀬の隣に持ってきた椅子を置く。
「ありがとうございます」
「では、自分はこれで失礼します」
七瀬と樹利亜に、顔を見られないように、素早くこの場から消えようとした瞬間…
(…ダズンローズ)
※参考文献:インターネット花キューピット
1ダース(12本)の薔薇を恋人に贈る、欧米の風習。
12本の薔薇には、それぞれ、感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・光栄・努力・永遠の意味が込められています。
そして、これら全てをパートナーに誓う「ダズンローズ」は、ウェディングブーケの起源と言われています。
「!? お前…ま…」
堂城だけに聴こえる声で、「ダズンローズ」と囁いた司会者の男に、堂城は、ある人物の名前を呼び掛けようとした。
★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます