第60話
「七瀬さん。元ホワイトハニーの穎川泉と妻が居る事を隠して、交際していたって本当なんですか?」
七瀬龍治が、マスコミに全てを打ち明ける前に、元ホワイトハニーの穎川泉が、アイドル時代、警察官僚と交際していた。でも、相手には妻が居たと週刊誌に大きく掲載された。
堂城は、この記事が出た瞬間、泉石渚の顔が浮かんだ。
あの男ならあり得る。しかし、その考えはすぐさま崩れ落ちた。
理由は…この情報を週刊誌に売ったのが、七瀬が守ろうとしていた穎川泉本人だった。
「…はい、本当です。穎川泉さんと妻が居る事を隠して交際していました」
七瀬は、言い訳する事なく、真実だと認めた。
「それって、不倫ですよね? 奥様に申し訳ないとは思わなかったのですか?」
息を飲まずに女性誌(白蓮:びゃくれん)の女性記者が突っ込む。
「…妻とは、先月離婚しました。元より、妻には結婚を前提に交際をしていた恋人がいました。それを、僕が強引に略奪しました。なので、妻は、自分の事を愛するどころか憎んでいたと思います」
「…えっ! それって…どういう事ですか?」
突っ込んだ記者も、七瀬の返答に言葉を失う。
「そのままですよ? 妻には、結婚を誓い合った婚約者が居居ました。そして、その相手は、僕の…」
_ドン_
七瀬が、続きの言葉を口にしようとした瞬間、会見場に大きな音が響き渡る。
☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます