第48話

同時刻 白藤出版 雑誌編集部 幸せなしろいねこ

「玉木編集長! 西野です。失礼します」

 西野なこは、できあった原稿(班長による最終チェック済み)を持って編集長の玉木健斗(たまきけんと)のがいる編集長の部屋に原稿を提出しにきた。

「お疲れ様です玉木編集長! 原稿を提出しに来ました。チェックをよろしくお願いします」

 部屋に入ってきたなこは、、自分のデスクでパソコン作業をしていた玉木の元に歩いていき、彼に声を掛ける。

 しかし、作業に集中している玉木にはなこの声は聞こえていないのか、一向にこっちを全く見ない。

(あれ? さっきは、返事が返ってきたんだけど? おかしいなぁ?)

 なこは、今日は、この時間に原稿を届けに行くとを事前に玉木編集長と直接アポイントを取り付けていた。

 なので、時間ぴったりに玉木の元へ、原稿を届けにやって…

「玉木編集長。 お忙しいそうなので、またあとで……」

 なこは、玉木の邪魔をしないように、持ってきた原稿を手にデスクを離れ、ドアの方に歩いていこうとしたら……突然原稿を持っていない左腕をうしろから掴まれる。

「逃げるなぁ!」

「編集長!」

 作業をしていたはずの玉木がなこの左腕を掴んだまま、なこの顔を睨みつけていた。

「なに逃げてんだよ! 原稿、提出しにきたんじゃあないのかよ!」

「あぁぁはい!」

 なこは、玉木のその言葉に、ドアに向かっていた足を再びデスクを方に戻し、玉木に原稿を渡す。

「玉木編集長! 原稿の最終チェックよろしくお願いします!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る