第35話

(兼城君。私ねぇもう生きるのに疲れちゃったんだ! だから…)

(七橋い…)

_ぴぴぴぴぴぴぴぴ_ スマホのアラーム。

「んんん…なんだ夢か?」

 兼城は、枕元に置いていたスマホのアラーム(30分)を切り、ゆっくり起き上がる。

 そして、冷蔵庫から栄養ドリンク1本取り出すとそれを一気に飲み干した。

「よし行くか!」

 飲み干した栄養ドリンクをゴミ箱に捨てると、気合を入れる為に自分の両頬を軽く叩き、休憩室をあとにした。

「店長ちょっとお…なんだ居ないのか?」

 やっぱりにさっきの如月の様子が気になったのでキッチンに戻る前に、店長に話を訊こうと事務所を素通りさず、事務所に顔を出した。

 けれど、肝心な店長はそこにはおらず、監視カメラ映像だけがモニターに映し出されていた。

 なので、兼城はしょうがなく事務所をあとにしようと扉の方に向かって歩き出した瞬間…

『…合コンの主催者が合コンに参加しないでこんな所で独り酒か? それともモテる為の作戦か?』

「…明希」

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