第5話
「失礼します」
杏奈は、頭を下げ所長室をあとにする。
(はぁ? なんで自分がお茶くみなんかしないといけないのよ! 所長が自分ですればいいじゃあない! 私も忙しいのよ! こう見えて!)
所長室から出てきた杏奈は、誰にも聴こえないように、小さない声で猫宮の苦情を言いながらお盆を返しに給湯室に向かって歩き出す。
給湯室は、杏奈が普段、事務兼受付をしている受付のすぐ隣にある。
☆
杏奈は、派遣会社の紹介で、事務員として所長である猫宮が経営する探偵事務所「猫宮探偵事務所」働く事になった。
でも、本音を言えば、杏奈はもう探偵事務所どころか探偵として働きたくはなかった。
だけど…神様はそんな自分のことを見逃がしてはくれなかった。
★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます