第4話

同日13時 所長室

_コンコン_ 扉を叩く音。

「どうぞ」

「失礼します」

 中からの応答に、お盆を持っていない手で、扉を開け中に入る。 

 そして、中の人物に自分背中を見せないように、素早く正面を向き直し、扉をゆっくり閉める。

「お茶をお持ちしました」

 お盆の上に置いた紅茶をこぼさないように気をつけながらに頭を下げる。

「ありがとう。そこに置いて貰えるかな?」

「解りました」

 杏奈は、自分に紅茶を持ってくるよう頼んだ、この探偵事務所の所長である猫宮透(ねこみやとおる)と彼とテーブルを挟みブラウンにソファーに挟み座っていた赤毛の眼鏡を掛けた男性の前に持ってきた紅茶を置く。

「ここ置きますね? 熱いので気をつけてください」

「あぁぁぁありがとうございます」

 杏奈からの紅茶に、猫宮のお客で来ていた赤毛の男性は、恥ずかしそうに紅茶を受け取る。

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