第111話



「莉茉、お前は俺の女だろ?」



「っ、うん。 」




照れる。



目を泳がせる私の頬を、暁の手が撫でた。




「俺達の世界では、組長、若頭の女を姐さんと呼ぶ決まりだ。」



「そうなの?」



「あぁ。」





そこで暁が頷く。




「言わば、通り名だな。」



「通り名…。」



「お袋も、親父以外には姐さんって呼ばれてるぞ?」




今度は、目を丸く私の髪を笑いながら、暁が梳く。

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