第110話



……でも。




「銀次のあれは、呼び名みたいなもんだ。」




その事を告げた私に、暁は困ったように笑いながら教えてくれた。






暁いわく。




「呼び名?」




……らしい。






首を傾げた私の身体を、暁は軽々と抱き上げると、自分の膝に乗せる。





これは、いつもの事。





何かと私を自分の膝の上に乗せたがる暁に抵抗せず、そのまま受け入れている。

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