新学期・香水ー暁sideー

第99話



「俺にとっては、親父との約束よりも莉茉の方が大事なんだよ。」




紛れもない、俺の本心だった。




「………暁…。」




瞳を潤ませる莉茉をゆっくりと引き寄せれば、素直に俺の腕の中に身を任せる。




全身で頼られているようで、その仕草が堪らなく愛おしく感じた。




「大切なのは、お前だけだ。」




俺の唯一無二は、莉茉1人。





そんな莉茉を、無理矢理に学校に通わせる必要はねぇ。





……だが…。




「莉茉?」

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