第94話



「俺が不安がなくなるよう、おまじないしてやろうか?」




「え?」




私は、目を見開く。





おまじない?




何だか、暁とはミスマッチな言葉だ。




「暁?」



「ん?」



「あの、おまじないって?」




じっと見上げれば、妖艶さを含んだ暁の顔が近付く。




「あ、暁?」




近付く暁の顔に、ドキドキする。

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