第93話



「あぁ、莉茉なら大丈夫だ。」




「………うん。」




暁に宥められても、まだ不安はなくならなくて。




もともと、引っ込み思案だった私。




それによって、茉莉に奪われた友達“だった”人達を思い出すと、萎縮してしまう。




まぁ、友達だと思っていたのは、私だけだろうけど。






全てを奪われてきた学生時代。




私にとって、学校は忌むべき場所だった所。





正直、逃げ出したくて仕方がない。




「莉茉?」



「うん?」



見上げた先に、妖艶に口角を上げた暁がいた。

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