第90話




「っ、暁っ…。」




狂おしいほどの愛おしさに、後ろに振り返って逞しい身体に抱き付いた。




そんな私を、暁はぶれる事なく受け止める。




「莉茉、どうした?」




「…………ちょっとだけ、暁に甘えさせて欲しい。」




「ちょっとだけで良いのか?」




くすくすと、楽しげに笑う暁の指が私の髪をすく。




「んっ…。」




その手の優しさに、うっとりと目を細める。





暁は、こうやって私をどろどろに甘やかす。




「………、暁、もっと…。」

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