第60話




「いえ、大丈夫です。」




「そう?」




私がにっこりと笑えば、お母さんが安心したように顔を綻ばせる。




「お母さん。」




「何かしら?」




「今日は、お招きありがとうございます。」




緊張したけれど。




お母さんにお呼ばれされて、会えるのは嬉しい。



「良いのよ、莉茉ちゃん。今日は楽しんで行ってちょうだいね?」




「はい。」




大きく頷いた私に、お母さんは微笑む。






綺麗で。



優しくて、上品なお母さんに、私も微笑み返した。

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