第59話



「ふふ、本当に頼さんにそっくりなんだから。」




頬を染めたお母さんは、くすりと妖艶に微笑む。




「…………親父と一緒にすんな。似てねぇよ。」



「そう?」




不本意だと言わんばかりの顔をする暁から、お母さんの瞳が私なの向けられる。




ぶつかる視線。




その瞬間、


はっとしたような表情を、お母さんは浮かべる。




「莉茉ちゃん、驚かせてごめんなさいね?」




はらはらしていた私に、お母さんは申し訳なさそうに目尻を下げた。

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