第58話




「私は別に、莉茉ちゃんだけが来てくれれば良かったのよ?」




しまいには、


不機嫌な暁を煽るお母さんは、にっこりと満面の笑みを浮かべている。




「あ?俺が莉茉を1人で来させる訳ねぇだろ。」




「あらやだ、ただ貴方が莉茉ちゃんと離れたくないだけでしょう?」





やれやれとお母さんがわざとらしく嘆息すれば、暁の眉が跳ね上がった。




「………。」



「………。」




無言の睨み合い。





そんな中、2人の応酬を見て、私ははらはらするしかなかった。

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