第57話



「………うるせぇ。」




驚く私の腰を抱き寄せ、暁はドアを開けたお母さんに鋭い視線を向けた。




「莉茉を驚かせるんじゃねぇよ。」




「………。」



そんな暁に、ちらりと一瞥を向けたお母さんは。



「あら、暁もいたの?」




さらりと言い放った。






途端に顔をしかめた暁に、お母さんは飄々とした態度を一切、崩さない。







…………流石です。




思わず、尊敬の眼差しをお母さんへと向けてしまった。

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