buddy 相棒
第27話
『ぁぁ! すみません。演技とは言え、お二人…いやぁ蜩さんの演技に妙にリアルさがあったのでもしかしたらつ…蜩さん?』
『…好きな人はいません。好きだった人は、2年前この世からいなくなりました。なので、これから先、彼女の以外の女性を好きになる事も愛することも決してありません』
『…』
猛暑も過ぎてイルカが泳ぐプールからの風が気持ちいいはずなのにはず、体中が熱い。
まるで、熱湯風呂にいきなり投げ込まれたかのように。体中から汗が流れ出る。
俺は…何も知らなかったとはいえ、蜩さんの一番触れられたくない過去に土足で足を踏み入れてしまったんだ。
俺は…
『框様?』
『ははははい!』
朧からの予想もしていなかった返答に、彼の顔を見ることができなくなっていた翔吾は、朧から突然自分の名前を慌てて顔を上げる。
『框様は、blackBart の事をどこで知ったんですか?』
『えっ?』
『あぁすみません! blackBart が主に請け負っている依頼は、表社会では決して表沙汰にできない人捜しや物探し、そして、時には…まぁ? 表社会に普通に生きてるだけじゃあ、我々、blackBart 関わるどころか交わる事すらないんです。だから、框様は、どうやって我々の事を知ったのかなっと思いまして』
朧は、翔吾には口では関わるどころか交わる事もないと言っているが、一つだけ blackBart 及び裏社会とつながる方法がある。
まぁ? この方法を知っているのは、裏社会でもごくわずかな人間だけ。
だから、見た限り普通の人間の框翔吾がどこで blackBart の事、それ以上にどうやって裏社会の事を知ったのか? 朧は、それが気になってしょうがない。
朧は、2年前、自分の恋人を裏社会の人間に殺された。
そして、そいつに復讐する為だけに blackBart に入社した俺は、全く裏社会の事を知らないし、それ以上に会社の人間以外に裏社会の人間に知り合いがいない。
まぁ? その分、相棒である零は、俺よりも裏社会に居るじかんも長いのでもしかしたら知り合いが多いのかも知れない。
それに、俺が知らない、表社会の人間がblackBart及ぶ裏社会とつながる唯一の方法も知っているのかもしれない。
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