第25話
「…ごめん幸也! 今起きたばっかりで。あぁ体調? 朝よりかはましになったけどまだ無理そうかな?」
○○との電話を終わらせた零は、表の一夜零の携帯(こっちのスマホの保証人は雨宮煉それに、スマホ代は、零自身がblackBartの給料から払っている)に掛かってきた友人で、同じ高校に通う音風幸也に出る。
※音風幸也、少し茶色みがかった黒髪で、身長は、お前より十センチ高い百七十センチ。
家族構成は、両親と二歳上の兄と四歳下の双子の妹と弟。
性格は、真面目で誰とでもすぐ仲良くなれる。
そんな奴だから俺は、幸也と親友になれたんだといまなら思う。
幸也からすれば、零は部屋で寝ている設定なので、学園に居ない事がばれないように演技をするが…
{そんなに体調悪かったら、仕事どころじゃあないんじゃあないのか?}
「…なんだばれてたのか?」
やっぱり幸也は騙せなかったか? 保健委員の春野華と担任である梅津薪は簡単に騙せたのに。
{当たり前だろう! 何年お前の傍にいると思ってるんだよ!}
「…ごめんごめん。急に仕事の依頼が入って」
{…あれ? お前っていつも平日は学校終わってからじゃあなかったけ?}
学業と裏の仕事(バイト)を掛け持ちする為に、平日は、学校が終わってからの3時間(17時~20時)と契約で決めている。
なので、幸也が驚くのは無理がない。
「そうなんだけど、今回は、特別手当(ボーナス)が出る特例ってやつで、授業中にも関わらず社長から呼び出されて、水族館で絶賛仕事中」
{水族館! お前いま水族館にいんの? またどうしてそんな所に}
「イルカショー好きの依頼人からのご要望で」
幸也は、普段零が blackBart でどんな仕事をしているか知っているので、彼の口から飛び出した水族館発言に驚きと同時になぜ彼が水族館に居るのか気になってしょうがない。
{…なんだよそのイルカショー好きの依頼人って? 相変わらずお前の所には変わった依頼人が来るんだなぁ。じゃあ、今回の依頼は水族館に関係してるひとなのか?}
「…いやぁ? それがまだ聞いてないんだ。訊いてるのはただ一つ。イルカショーが終わるまで話すのを待って欲しいって。だから、ショーが終わるまで暇だから依頼人は相方に任せて俺は一人外に出てきたんだよ! 全く、こっちは授業サボってきてるんだから早めに終わってくれないと困るんだけど」
{まぁまぁそう言うなって、今回は特別ボーナスが出るだろう?}
「あぁ! じゃあなかったらこんな依頼やってられない」
{まぁまぁ。じゃあ今回は…}
「……解らない」
零は、いつもなら仕事中であって決まった時間(17時から20時)で、仕事を切り上げ寮に戻ってくる。
でも、今回は、そんないつもの仕事は違って、零自身が依頼の内容を知らない。
それはつまり、いつ帰られるか不明。
{解った。こっちの事はは俺がなんとかする}
「幸也様!」
{様とか要らないから。じゃあ、そろそろ次の授業始まるから。お前も無理するなよ! 一応こっちじゃあ病人の扱いなんだし}
「解ってる! じゃあ、終わったら連絡する」
{あぁ!}
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