第29話

『まぁ、ひとまずお前の過去の話しと復讐話はどうでもいい。今は、仕事のはなしだ! 朧? 今回の依頼なんだかおかしいと思わないか?」

「そっか? いつもと何もかわないと思うけど?」 

 お前から話しを振ってきたんだろ?

 そう朧は、零にツッコミたくなったかが、あとが怖いので堪える。

「はぁ? お前は本当にバカか? あのなぁ! 俺達は、社長の手のひらで転がされたんだよ!」

「えっ?」

 意味が解らない。

 なんで、社長が俺たちを転がす必要があるんだよ!

 朧は、零の言っている言葉の意味が解らず首を傾げる。

「お前……それでも、探偵かよ? あのなぁ? ど平日のそれもこんな時間にに、俺がこんな所にお前と一緒に居たらおかしいだろう?」

「あぁ!」

 零の言葉に、朧もようやく、彼が言いたかったことを理解する。 

 確かに、正真正銘の正規探偵の零のともかく、形だけの正規探偵である自分に、本来なら野口先輩たちが担当するような依頼がくることなんて絶対はありない。

 ましてや指名依もっとありえない。

 それに、社会人である自分はともかく、零は、学生で、平日は、学業優先で、こっちの仕事は、放課後の数時間しかない(土日祝も勿論学業優先)行いない契約なのに、今回は、授業があるのに関わらず社長命令で朝から強制出勤させられている。

 そして、最大の問題は、社長から、依頼について一切何も教えられていない。

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