第27話

「これが朧のアドレスです。このアドレスに送って貰ってよろしいでしょうか?」

「分かりました。送りますねぇ」

 翔吾が教えて貰ったアドレスにさっきのメールを送信する。

「あぁ、来ました。ありがとうございました。朧、携帯サンキュー」

 携帯を閉じ、携帯を朧に投げる。

「おい。壊れたらどうするんだよ」

 落ちる寸前でなんとか携帯をキャッチした。

「わりぃ。わりぃ」

 笑いながら謝って来る相棒を睨みつける。

 しかし、突如インカムから聞こえてきた零の冷たい声で、状況は一変する。

『……お前は、いまでも恋人を殺した五条龍也に復讐したいのか?』

『零なんでおま……』

 朧は、思わず口に出しそうになったか、寸前の口を閉じる。

 しかし、零は、そんな朧を無視して話を進める。

『……止めとけ! お前みたいな恋人の復讐のためだけに、裏社会に入った人間に復讐なんかできる訳がない。それに、お前の恋人をお前のすぐ目の前で射殺した五条龍也は、未だに刑にすら課されていないんだろう? 死ぬぞ! そんな奴に、何の力もない今のお前が復讐なんかしようとしても』

 いまの朧が 元とはいえ、「killer」こと五条龍也に勝てるわけがない

 それどころか、奴の怒りを買って殺されるのがいい落ちだろう。

 まぁ? 朧がどうなろうと自分には正直言って全く関係ないのだが、あいつにもしものことがあったら、自分があの人に殺される。

 どういう訳か、朧は、blackBart 一部の人間に好かれている。

 なので、むやみに朧におかしなことは言えない。

 命が欲しいので

 ☆

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