協力者

第17話

イルカ広場から走って出てきた零は、ある人物からの電話に出ていた。

{一夜、やっと出た}

「幸也!」

 電話の相手は、表の一夜零の友人で、同じ高校に通う音風幸也。

{お前、いま保健室、いや、学校にいないだろ}

「……」

{やっぱりな。また、裏の仕事か?}

「…幸也は騙せなかったか。そうなんだ」

{だと思った。で? 今回はどのくらいかかりそう?}

「今回は、いつもと違ってどのくらいかかるかわからないんだ」

{そっか。まぁ、こっちは、俺がなんとかしてやるから気をつけろよ}

「幸也」

{どうした?}

「いつもありがとう」

{……一夜。俺達友達だろう? それに、友達が困ったら助けるのは、当たり前だろう? なんせ、俺はお前の協力者第1号だし}

 音風幸也。一夜零のたった一人の親友で、家族以外で、零が、自ら秘密を打ち明けた貴重な存在でもあり、心の拠り所でもある。

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