第5話 たった一人の相棒

第14話

捜し物専門探偵事務所「white」応接室。

「二人とも、コーヒーで良かった? ごめんなぁ? お茶の予備丁度切らしてて」

「気にしないで下さい。コーヒーありがとうございます」

 恭弥と智樹は、コーヒーを持ってきてくれた蜩朧に同時に頭を下げる。

「よかった。それより、今日は突然誘ってごめんね?」

 二人の真正面のソファーに腰掛ける朧。

「いえ? けど、本当に良かったんですか? その……今日、新人さんの歓迎会なんですよねぇ?」

「あぁ……そのつもりだったんだけどねぇ?」

「あぁ! そう言えば! 朧さんって、今は、誰とコンビ組んでるんですか?」

 突然話題を180度変えた恭弥に驚きながら、これ以上、歓迎会の話しに触れて欲しくなかった朧は、智樹の話しを合わせる。

「あぁ! 新人さんだよ? 新人教育係も兼ねてねぇ。って言っても、年は自分よりも10歳も年上なんだけどねぇ? はぁ……ようやく自分にも、後輩ができたと思ったのに。あぁごめんねぇ?」

「あぁ……いえ。朧さんも、なんか色々大変そうですねぇ?」

「まぁねぇ? でも、あいつ……零と一緒に仕事をしていた2年間と比べたら……あぁごめん」

 朧は、話しを切り上げて恭弥の方を見る。

「僕ならもう大丈夫です。それより、今日は、朧さん、貴方に渡したいものがあったんです

「俺に?」

 朧は首を傾げる。

 そんな朧に、恭弥は、一通の手紙を差し出す。

「これは?」

「零からです」

「えっ?」

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