水『君だけの星』
——
朝、人々は目覚めると、奇妙な光景を目の当たりにした。
家のリビングに、物置部屋に、車庫に、庭に、地球上の至る所に、高さ二メートルほどはあろう、乳白色の板が乱立していたのだ。いや、板はよく見ると、ただの板ではなく、太く頑丈な
人々には、心当たりがあった。
そして好むと好ざるとに関わらず、人々は皆、乳白色の扉を開き、向こう側へと足を踏み入れた。
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——大地と海と空。
呼吸はできる。肌に触れる空気は冷たくも、暑くもない。浮遊感はなく、ずっしりと重たいわけでもない。人々の体は、いつもと変わらぬように、動けた。扉の向こうは、また別の地球だった。後ろを振り返っても、そこにはもう、乳白色の扉は、ない。扉だったはずの
人々は、新たなる世界を、受け入れた。
八〇億人が、それぞれ、八〇億の
〈木『
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