③嫉妬

第13話

従業員専用仮眠室。※但し、ここで仮眠をとる人は、ほとんどいない。

「あのなぁ? お前が一体なにを心配してるのか知らないけど、あの二人とは本当何もないし、なんなら、二人とも俺の幼馴染だし」

 自分を屋上から連れ出した恋人、蜩朧の頭をポンポンと軽く叩きながら、零は、恭弥から貰ったばっかりのレジ袋の中から、メロンパンを取り出し、真ん中から半分に割り、半分を朧に渡す。

「……ありがとう」

 零が渡してきたメロンパン(半分)を一口食べる。

「あのさ……ぜ……」

「けどまぁ? お前がどんなに、俺とあの二人との関係を気にしようとも、俺が好きなのは……」

 朧が食べていたメロンパンごと、彼の唇を奪う。

「……やっぱりおいしい。もう一個食べてもいい?」

 悪びれる様子もなく、なんならもう一個欲しいとおねだりしてきた。

「なんだよ! もう一個って? なに勝手に人の分食べてんだよ!」

 朧は、零からの突然のキス&自分の分のメロンパンを彼が勝手に食べてしまったことを怒りながらも、零の右手を取り、

「けどまぁ? お前が、そこまで食べたいって言うなら食べさせてやっても構わない。但し」

「!」

 壁際に零を突然押し付けると、正面から零を抱きしめる形で唇を奪う。

 それも、零の呼吸が続く限り、朧は唇を重ね続けた。

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