第6話

「二人とも、お茶で良かった?」

 リビングに戻ってきた零は、まるでなにごともなかったかのように、二人にお茶のペットボトルを配る。

 そして、自分は、蓋を開けお茶飲み始めた。

「ん? なに? 俺の顔になんかついてる?」

「あぁ! いやぁ……何でもない? それよりお茶ありがとう!」

 零の問いかけに、智樹は何かを言い掛けたが、最終的にはなにもないと首を左右に振り、お茶を零から笑顔で受け取る。

「よかった。本当は、別の飲み物も用意できれば良かったんだけど、この頃仕事が立て込んで、買い物に行く暇もなくて、冷蔵庫にお茶とちょっとした食べ物しか入ってなくて! 悪い! 次はちゃんと色々買っておくから!」

「あぁうん。ってか? 別にそんなの気にしなくていいぞ! それより、お前、ちょっとご飯食べられるのか?」

「あぁ! それなら大丈夫 おぼ……いやぁ? 職場の先輩がご飯奢ってくれたり、仕事が忙しくない時に、常務スーパーでセール品を大量に買ってきて作り置きとかしてるから。そんなことより智樹! 今日は、智樹に聞いて欲しい話しがあるんだ!」

 強引に話題を変える零!

「あぁぁ……」

 そんな零の勢いにそれ以上に、何も聞けなくなる。

「智樹! 俺……あっ! そうだ! 恭弥! 悪いんだけど! コンビニ行って、なにか食べ物買ってきてくれないかな? 俺の財布勝手に持ってい行っていいから!」

 恭弥に一方的に買い物をお願いすると、智樹を連れてリビングから出て行った。

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