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{……零! ついたぞ!}

 零が住んでいるマンションに着いた恭弥と智樹は、マンションの中に入る為に、零の部屋(305号室)に電話を掛ける。 

「あ……ぁ! いま開け……る! ちょっと待って……て!」

 恭弥の電話に出た零は、起きたばっかりだったのか、言葉の端端にあくび声が混ざっていた。

 そして、零からの電話が切れて数秒後、マンションの扉が開き、恭弥と智樹は、マンションの中に入って行った。

 2ヶ月前、零は、元相棒だった蜩朧の復讐代行で、元killer こと五条龍也を銃殺し、そして、2代目、judge(審判)海月梓こと黒鳥恭輔によって一時的に死の境を彷徨った。

 しかし、この事が世の中に公表させることがなかった。

「ごめん! 昨日も夜遅くまで仕事だったから! ぁぁぁ」

 2人をリビングに招き入れた零は、大きなあくびをしながら、散らかったテーブルを片付けながら二人に詫びを入れる。

「仕事?」

 智樹が、零の「仕事」と言う単語に不思議そうに首を傾げる。

「あぁ! ちょっと張り込みの仕事で……あぁ。あぁ! ゴメン! ちょっと顔洗ってくれるねぇ?」 

「あぁ!」

 そう言って、二人を残してリビングから出て行こうとしたが、なにかを思い出したのか、急に智樹の名前を呼ぶ。

「あぁそうだ! 智樹!」

「ん?」

 急に自分の名前を呼ばれた智樹は、なにを言われるのか解らず、無言で零の顔を見る。

「智樹。今日は、来てくれてありがとう!」

「……」

「じゃあ? 二人ともちょっと行ってくるねぇ?」

 そう言って、今度こそリビングからいなくなる零。

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