第32話
「愛美は、山下のこと、どう思ってるの?好き?」
「再会したばっかりで、清人がどんな人なのか、まだわからないよ。子供の時とは違うだろうし。
だから『好き』とか、そんな風に考えたことない。」
「キスして、どうだった?」
「なんでそんなこと訊くの?」
「じゃ、さっき俺としたキスはどうだった?教えて。知りたい。」
「……」
「わからなかったんなら、もう一回しようか。」
チュッ。軽く触れるキスから始まって、航平の舌が私の口内に入ってきた。
私をキツく抱き締めながら、深いキスを止めない航平。
息が苦しくなって、唇を離し、プハッと息をしても、また唇を塞がれる。
卑猥な音を立てながら、キスを繰り返す。
いつの間にか、私は航平の服をギュッと握りしめ、航平に求められるまま、キスを受け入れていた。
ハアッハアッ……
唇を離した二人は、夢中で息をする。
「やべぇ。」
航平の上気した顔を見つめると、航平が
「これ、どうしよう」
と、下腹部を指差す。
「そんなこと知りません!」
そっぽを向く私。
「で、どうだった?俺とのキス。」
「言わないといけない?」
「愛美のこと、ちゃんと知りたいから聞きたい。」
「何も考えられないくらい、気持ちよかった。」
「やっべ。すげぇ嬉しい!」
ますます赤くなる航平。
「俺、頑張るから。愛美のこと、もっともっと大事にするから。俺のところに戻ってきてくれるの、待ってる。」
浮気のことは許せないけど、それとは別にして、私もきちんと航平のことを見て、考えてみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます