由利香の本音

第23話

「やっぱり、浮気してたか」


「やっぱり?」


「ああいう、小心者?中途半端?自分に自信がないヤツは、愛美みたいないい女は無理なんだよ。

すぐに人を頼るような、男にすがらないと生きてけないような女を支えて初めて自分に自信が持てるの。あのタイプは。」


「そうなの?」


「事実、そうだったでしょ?」


「うーん。私も可愛いげがないのがいけなかったのかも」


「好きでも合う合わないがあるから、仕方ない。」




「そういえば、ね」


清人とのことを話した。


子供の頃のことから、この前キスしたことも。


「愛美は、そな清人くんのこと、どう思ってるの?」


「どうって、再会したばかりでわかんないよ。」


「キスは嫌じゃなかったんでしょ?」


「うん。」


「航平くんにはああ言ったけど、愛美はもう、戻れないでしょ。清人くんのこと、もっとよく見てみたら?」


「うん。」


「さて、航平くんに電話したら、カレのとこ行くから、そろそろ。」


「カレって、15歳上の司書さん?」


「いつの話よ?今は12歳上の学芸員よ。」


「聞いてないよ!」


「そりゃそうよ。言ってないもん。」


「…」

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