清人のキス

第17話

清人が机の方をじっと見る。


視線の先には航平とのツーショット写真。


「なんだったんだろうね?私、浮気されてるのも気づかないでバカみたい。」


航平との楽しかった日々を思いだし、涙が次から次へと零れる。


清人は優しく私を抱き締めてくれる。


「泣くほど好きなら、今までのことは忘れて、新しく始めてもいいんだよ。」


「それは無理。あの部屋にいくたび、絶対思い出す。」


「忘れさせてあげようか?」


「えっ?」


清人が顔を近づけてきて、優しく唇にキスを落としてくる。


「きよ…」


「黙って。」


チュッと啄むようなキスをして、清人の熱い舌が、私の唇を押し開き、入ってくる。


優しく、熱く、私の舌を絡めとる。


「んっ、ふっ…」


「目、つぶらないで、俺を見て。」


唇を離し、見つめ合う。

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