第18話

清人が私を抱き締めながら、


「ずっと、会いたかった。

あのあと、オヤジに引き取られてアメリカに行ってたんだ。

真一兄ちゃんとはたまに連絡取ってて、愛美のこと、教えてもらってた。」


「お兄ちゃん、そんなこと一言も!」


「言わないでって、頼んでたから。

で、愛美といたくて、大学受験の時にこっちに戻って受けた。

大学で、愛美がアイツといるのを見て…。

愛美が幸せなら、それでよかったんだ。

愛美の前に現れずにいようと思ってた。

でも…。」


「航平と同じアパートなのは?」


「それはホントに偶然。でも、引っ越そうかな?

ここに。」


「えっ?」


「真一兄ちゃんが、そうすればって言ってくれて、おじさんやおばさんにも掛け合ってくれてる。」


「私、全然知らないんだけど。」


「愛美がイヤなら住まないよ。」


「イヤじゃないよ?」


「あ、でも、俺がダメかも」


「なんで?」


「愛美、すごくキレイになってるし、何もしないでいる自信がない」


顔を赤くしながら清人が言う。


私まで赤くなるじゃない。

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