第13話

昼休みになり、研究室でサチと落ち合った私は学食へと向かう。


颯太先輩は席をとって待っていた。


「こんにちは。」


「こんにちは。愛美ちゃん、航平から話は聞いてるよ。」


「えっ?」


「辞めさせないでって。」


「ん?どしたの?二人、何かあったの?」


「サチ、他のヤツに言うなよ。」


「うん。」


「私たち、別れたんだ。」


「へっ?」


「航平は別れてないって言ってるけど、まぁ、別れるよな、普通。」


「何があったの?愛美!」


「航平の浮気現場見ちゃったんだよ。しかも、最中。」


「航平、ボコってやる!」


鼻息荒く、サチが言う。


「サークルは辞めなくていいんじゃない?

楽しく活動してたのに。」


「そうだよ!航平が辞めたらいい。」


「今年の肝試しは、ペアにならないようにするから。」


「ペアって、作為的だったんですか?」


「そうだよ。あれって、男にとっては告白タイムだから。」


「そういや、アタシも颯太くんにあの時!」


「女子は知らないけどね。男子は代々そういうことになってる。」


「それで、肝試し後はカップル増えるんだ。」


「そゆこと。というわけで、辞めないように。」


「考えてみます。」

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