清人の接触

第12話

翌日、1コマ目の講義『国語学概論』でサチに会う。


「おはよ。」


「おはよ。サチ、颯太先輩に話があるんだけど。」


颯太先輩はサークルの部長。


サチと颯太先輩は付き合ってる。


「お昼に学食で会うけど来る?」


「うん。」


2コマ目は空きなので、研究室で時間を潰す。


今週の定信先生の『国語学演習』発表を控えている森くんが、若干廃人化している。


「森くん、なんか手伝おうか?」


「観智院本類聚名義抄で、この字調べてくれる?」


「了解。」


森くんの隣では、今週の定信先生の『国語学講読』の発表を控えたなっちゃんが、危ない人になっていた。

目の下にクマができてる。


「なっちゃん、コーヒー飲む?」


「うふふ。ありがとう、愛美ちゃん。」


半期に二人の先生の講義『演習』『講読』で発表がある。


合計4つだ。


みんな、発表前になると発狂しそうになる。


先生や院生にどんな質疑をされるか、気が気じゃないのだ。

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